先月はロサンゼルス&サンディエゴに行っていたため欠席した勉強会。
今月はその旅行で買ってきたブレタノマイセスを使ったビールの味比べというテーマで開催しました。
使ったビールはBrueryのELEMENTS OF FUNKシリーズの三種類。
写真は左からBrettanomyces Claussenii、Brettanomyces Lambicus、Brettanomyces Bruxellensisを使ったビールです。
ブレタノマイセスはバクテリアと誤解されている節があるようですが実際はイースト属だそうで、普通に使われる醸造用イーストの近縁種です。
知られているブレタノマイセスは四種類あるそうで、その中でもビール醸造に良く使われるのはBrettanomyces Anomalus(別名Brettanomyces Claussenii)とBrettanomyces Bruxellensis(別名Brettanomyces Lambicus)二種類とのこと。
別名と言うのは以前は違う種だと思われていたものが実は同じ種だったと判明したからの様で、醸造用イーストであるSaccharomyces Cervisiaeにもクリーンなアメリカン・イーストや独特なベルジャン・イーストがあるのと同様の違いでしか無いようです。
今回のテイスティングはスコアシートを付けると言うことはせず、単なる飲み比べでブレタノマイセスの違いを楽しもうという形で行いました。
ちょっとしたテイスティングメモ。
Brettanomyces Claussenii
ブレタノマイセスの香りが強い。
モルティなフレーバーでホップのキャラクターを感じる。
Brettanomyces Lambicus
華やかなでトロピカルフルーツを思わせる香り。
フェノールが少々強めに出ており、除光液のフレーバーも感じる。
Brettanomyces Bruxellensis
ブレタノマイセスの香りは一番弱く、落ち着いた感じがする。
ドライな感じと少し酸味。
ホップの渋味も感じる。
スコアシートをきちんと付けなかったのもあるのですが、全くと言って良いほど飲み慣れていないので違いを表現するのがとても難しく感じました。
ブレタノマイセスを使ったビールの評価が出来るようになるまでには暫く時間がかかりそうです。
2016年08月25日
2016年05月19日
2016年5月の勉強会
暫く更新をサボっていてすみません。
気がつけば春のけやきひろばビール祭りも終わって、もう5月中旬。 前回このブログを更新したのが1月中旬だったので4か月間も放置してしまいました。 普段からそれほど頻繁に更新しているブログではありませんが、またポツポツと記事を投稿して行こうと思っておりますので、末長くお付き合い下さい。
さて、今月の勉強会。お題目は1月と同じ「ゴーゼ」。 前回は「これから造るぞ」と言うことで飲んでみましたが、今回は出来上がった製品もあったので比較の意味も込めてテイスティングしてみました。
左から Almanac Golden Gate Gose、 Modern Times Fruitlands、 Locobeer Pink Boots Gose の3本。
参加者5人中3人は前回のゴーゼにも参加した人でしたが、 飲み慣れていないスタイルのため今回もBJCPのスタイルガイドラインを読んだだけでの テイスティングとなりました。
以下、テイスティングノート。 「点数」はFB担当が付けた点数、「平均点」は参加者(5人)の平均点です。 (どちらも50点満点)
Almanac Golden Gate Gose (点数34、平均点33)
フルーツアロマ。背後に少々酸味のアロマもある。コリアンダーはほぼ無し。 色は薄くクリアーで泡立ちも弱く、泡もほとんど無し。 レモンのようなフレーバーでかなり強めの酸味。食塩の特徴は弱い。ドライ。 ミデアムライトのボディで炭酸は少し弱め。 かなり酸味が強いため現代風のゴーゼと言うよりは歴史的なゴーゼを手本にしているのかも。
Modern Times Fruitlands(点数25、平均点25)
ミードのようなもっさりとしたアロマ。コリアンダーは無し。 大きく細かい泡。ボディはクリアーで少し赤みがかった色。 強めの酸味でレモン様ではあるが、ベリーのような風味も感じる。ドライで塩っぽさはほぼ無し。 ミデアムライトのボディに強めの炭酸。強い酸味。 チェリーを加えたゴーゼなので純粋なゴーゼと見るとスタイル外れ。 スペシャルティとして評価すべし。
Locobeer Pink Boots Gose (点数36、平均点35)
軽いコリアンダーの香り。 大きく細かい泡。金色のボディで濁りがある。 酸味はかなり弱く、塩っぽさの方が強めのバランス。その分モルト間も出ていて少し重めの印象。 ミデアムボディに強めのカーボネーション。 バランス的にもう少し酸味があっても良い。
結果、僅差でPink Boots Goseが今回のBest of Showになりました。 国内で手に入るゴーゼで瓶詰めされている製品は、アメリカン・クラフトくらいしか手に入らなかったのでその傾向しかわかりませんがどれもかなり強めの酸味になっている印象でした。 スタイルガイドラインにあるコリアンダーも弱く、流行りのゴーゼは酸味を強調したベルリナーヴァイスの少し強いバージョンという感じなのかなと思いました。
ウチのゴーゼはスタイルガイドラインを参考にして造ったので、流行りとは少し違った傾向となっていますが、バランス的にもう少し酸味があっても良いと思うので、次回は少し酸味を強調してみたいと思います。 (次回醸造はあるのか不明ですが…)
気がつけば春のけやきひろばビール祭りも終わって、もう5月中旬。 前回このブログを更新したのが1月中旬だったので4か月間も放置してしまいました。 普段からそれほど頻繁に更新しているブログではありませんが、またポツポツと記事を投稿して行こうと思っておりますので、末長くお付き合い下さい。
さて、今月の勉強会。お題目は1月と同じ「ゴーゼ」。 前回は「これから造るぞ」と言うことで飲んでみましたが、今回は出来上がった製品もあったので比較の意味も込めてテイスティングしてみました。
左から Almanac Golden Gate Gose、 Modern Times Fruitlands、 Locobeer Pink Boots Gose の3本。
参加者5人中3人は前回のゴーゼにも参加した人でしたが、 飲み慣れていないスタイルのため今回もBJCPのスタイルガイドラインを読んだだけでの テイスティングとなりました。
以下、テイスティングノート。 「点数」はFB担当が付けた点数、「平均点」は参加者(5人)の平均点です。 (どちらも50点満点)
Almanac Golden Gate Gose (点数34、平均点33)
フルーツアロマ。背後に少々酸味のアロマもある。コリアンダーはほぼ無し。 色は薄くクリアーで泡立ちも弱く、泡もほとんど無し。 レモンのようなフレーバーでかなり強めの酸味。食塩の特徴は弱い。ドライ。 ミデアムライトのボディで炭酸は少し弱め。 かなり酸味が強いため現代風のゴーゼと言うよりは歴史的なゴーゼを手本にしているのかも。
Modern Times Fruitlands(点数25、平均点25)
ミードのようなもっさりとしたアロマ。コリアンダーは無し。 大きく細かい泡。ボディはクリアーで少し赤みがかった色。 強めの酸味でレモン様ではあるが、ベリーのような風味も感じる。ドライで塩っぽさはほぼ無し。 ミデアムライトのボディに強めの炭酸。強い酸味。 チェリーを加えたゴーゼなので純粋なゴーゼと見るとスタイル外れ。 スペシャルティとして評価すべし。
Locobeer Pink Boots Gose (点数36、平均点35)
軽いコリアンダーの香り。 大きく細かい泡。金色のボディで濁りがある。 酸味はかなり弱く、塩っぽさの方が強めのバランス。その分モルト間も出ていて少し重めの印象。 ミデアムボディに強めのカーボネーション。 バランス的にもう少し酸味があっても良い。
結果、僅差でPink Boots Goseが今回のBest of Showになりました。 国内で手に入るゴーゼで瓶詰めされている製品は、アメリカン・クラフトくらいしか手に入らなかったのでその傾向しかわかりませんがどれもかなり強めの酸味になっている印象でした。 スタイルガイドラインにあるコリアンダーも弱く、流行りのゴーゼは酸味を強調したベルリナーヴァイスの少し強いバージョンという感じなのかなと思いました。
ウチのゴーゼはスタイルガイドラインを参考にして造ったので、流行りとは少し違った傾向となっていますが、バランス的にもう少し酸味があっても良いと思うので、次回は少し酸味を強調してみたいと思います。 (次回醸造はあるのか不明ですが…)
2016年01月14日
2016年1月の勉強会
今年初めてのテイスティング練習会に参加してきました。
8月の事故以降も直後の9月を除いて毎月参加してきましたが
ブログ更新が滞ってしまいなかなか紹介できずにいました。
さて、今回のお題目は「ゴーゼ」。 塩を使ったビールとして知られているけれどマイナースタイルです。 その歴史は長く中世にはすでに飲まれていたとの記録があるそうですが、第2次世界大戦後に急速に衰退し1960年代に一度滅んでしまったとのこと。 これが1980年代に復活し今日のクラフトビールブームで再発見され、ちょっと前からアメリカではかなり流行っているスタイルとなっています。
目白田中屋にゴーゼを買いに行ったところ、なんと5種類のゴーゼが販売されていました。 今回はそのうちの3種類をピックアップしてテイスティングしてみました。
左から Stillwater Artisanal - MoneyTree$、 Stillwater Gose Gone Wild、 Prairie Flare。 ドイツのオリジナルに近いものはひとつもなく、全てアメリカのクラフトビールでした。
参加者が5人とも殆ど飲んだことのないスタイルのため、 BJCPのスタイルガイドラインを読んだだけでのテイスティングとなり、 未知のスタイルをテイスティングする祭の良い練習となりました。
以下、テイスティングノート。 「点数」はFB担当が付けた点数、「平均点」は参加者(5人)の平均点です。 (どちらも50点満点)
Stillwater Artisanal - MoneyTree$ (点数34、平均点35)
モルトの香りと背後にホップの香り。シトラスの弱い香りもあるがコリアンダーは感じられない。 持ちの良い細かい泡だが大きくはない。発泡性。無濾過の割りには透明度が高い。 レモンのようなフレーバー。 爽やかな酸味と少々の塩味を感じるがしょっぱいほどではない。 酸味とモルトのバランスが良い。 ボディはミデアムライトで強炭酸。 良くできた爽快なビールだが、スタイル的にはホップキャラクターが出ている点、コリアンダーが感じられない点が残念。
Stillwater Gose Gone Wild (点数30、平均点32)
強いホップアロマと背後に甘いモルトの香り。少々イースト臭があり爽快感を損ねている。 色は薄く、ほど良い濁り。細かく持ちの良い泡だがヘッドは小さい。 酸味が強くホップキャラクターも強く感じ、フィニッシュにも酸味が残る。 塩は感じられない。 ボディはミデアム程度。高炭酸。 ホップが利き過ぎている点がスタイル的に外れているが、爽快感は逆に増しているように感じる。 コリアンダーのキャラクターが感じられない。
Prairie Flare (点数34、平均点32)
甘いピルスナーモルトの香り。フルーツの香りも感じる。 少々スパイシーなホップに似た香りも感じられるが、コリアンダーとは違うように思う。 乳酸由来の酸っぱい香り。 かなり大きなヘッドだが、泡はきめ細かく持ちも良い。少々濁りあり。 モルティなフレーバーに塩っぽい味。酸味は控えめでバランスが良い。ホップは感じられない。 ミデアムボディで高炭酸。 全体的に少々爽快感に欠ける。
どれも酸味が利いた爽快なビールで、料理にも会いそうな感じでした。 しかし今回は3本ともスタイルガイドラインにある「コリアンダー」が感じられませんでした。 それもその筈か?3本とも純粋なゴーゼではなく、 それぞれ「ゴーゼスタイル・セッションIPA」「ゴーゼ+ワイルドイースト」「ゴーゼ+フルーツ」 とのこと。 この辺がアメリカのクラフトらしく面白いと思いましたが、純粋なゴーゼを飲むと言う課題ができてしまいました。
さて、今回のお題目は「ゴーゼ」。 塩を使ったビールとして知られているけれどマイナースタイルです。 その歴史は長く中世にはすでに飲まれていたとの記録があるそうですが、第2次世界大戦後に急速に衰退し1960年代に一度滅んでしまったとのこと。 これが1980年代に復活し今日のクラフトビールブームで再発見され、ちょっと前からアメリカではかなり流行っているスタイルとなっています。
目白田中屋にゴーゼを買いに行ったところ、なんと5種類のゴーゼが販売されていました。 今回はそのうちの3種類をピックアップしてテイスティングしてみました。
左から Stillwater Artisanal - MoneyTree$、 Stillwater Gose Gone Wild、 Prairie Flare。 ドイツのオリジナルに近いものはひとつもなく、全てアメリカのクラフトビールでした。
参加者が5人とも殆ど飲んだことのないスタイルのため、 BJCPのスタイルガイドラインを読んだだけでのテイスティングとなり、 未知のスタイルをテイスティングする祭の良い練習となりました。
以下、テイスティングノート。 「点数」はFB担当が付けた点数、「平均点」は参加者(5人)の平均点です。 (どちらも50点満点)
Stillwater Artisanal - MoneyTree$ (点数34、平均点35)
モルトの香りと背後にホップの香り。シトラスの弱い香りもあるがコリアンダーは感じられない。 持ちの良い細かい泡だが大きくはない。発泡性。無濾過の割りには透明度が高い。 レモンのようなフレーバー。 爽やかな酸味と少々の塩味を感じるがしょっぱいほどではない。 酸味とモルトのバランスが良い。 ボディはミデアムライトで強炭酸。 良くできた爽快なビールだが、スタイル的にはホップキャラクターが出ている点、コリアンダーが感じられない点が残念。
Stillwater Gose Gone Wild (点数30、平均点32)
強いホップアロマと背後に甘いモルトの香り。少々イースト臭があり爽快感を損ねている。 色は薄く、ほど良い濁り。細かく持ちの良い泡だがヘッドは小さい。 酸味が強くホップキャラクターも強く感じ、フィニッシュにも酸味が残る。 塩は感じられない。 ボディはミデアム程度。高炭酸。 ホップが利き過ぎている点がスタイル的に外れているが、爽快感は逆に増しているように感じる。 コリアンダーのキャラクターが感じられない。
Prairie Flare (点数34、平均点32)
甘いピルスナーモルトの香り。フルーツの香りも感じる。 少々スパイシーなホップに似た香りも感じられるが、コリアンダーとは違うように思う。 乳酸由来の酸っぱい香り。 かなり大きなヘッドだが、泡はきめ細かく持ちも良い。少々濁りあり。 モルティなフレーバーに塩っぽい味。酸味は控えめでバランスが良い。ホップは感じられない。 ミデアムボディで高炭酸。 全体的に少々爽快感に欠ける。
どれも酸味が利いた爽快なビールで、料理にも会いそうな感じでした。 しかし今回は3本ともスタイルガイドラインにある「コリアンダー」が感じられませんでした。 それもその筈か?3本とも純粋なゴーゼではなく、 それぞれ「ゴーゼスタイル・セッションIPA」「ゴーゼ+ワイルドイースト」「ゴーゼ+フルーツ」 とのこと。 この辺がアメリカのクラフトらしく面白いと思いましたが、純粋なゴーゼを飲むと言う課題ができてしまいました。
2015年08月21日
2015年8月の勉強会
今回のお題目は「セッションIPA」。
最近流行りのスタイルなので色々な種類が売っているかと思いきや、
瓶詰めされている製品は以外と少なくなんとか3本入手しました。
(直前に参加者の指摘により大手メーカーも出していることが判明したのですが間に合いませんでした)
左から Gilgamesh Hoot Attack、 Black Isle Session IPA、 Stone Go To IPA。 それぞれの産地は、オレゴン@アメリカ、スコットランド、カリフォルニア@アメリカでした。
さてこのスタイル Beer Judge Certification Program (BJCP) の2008年版スタイルガイドラインだと「スペシャルティ・ビア」として審査するしかなかったのですが、最近発表された2015年版では「スペシャルティIPA」というサブカテゴリが出来、審査カテゴリーも変更になりました。 しかし、ブラックIPAやベルジャンIPAと言った割りと古くからある特定の“IPA”に関しては説明があるものの、セッションIPAに関してはそれがありません。
エントリーする際の注意点として記載されている項目には、 すでに定義されている別のサブカテゴリーのアルコール強度が違うもの(例えば、セッション・アメリカンIPA)を使用しても可とされているので、今回はアメリカンIPAのアルコール度をセッション(ABV 3.5〜5.0%)に読み替えたものをスタイルガイドラインとして使用しました。
以下、テイスティングノート。 「点数」はFB担当が付けた点数、「平均点」は参加者(6人)の平均点です。 (どちらも50点満点)
Gilgamesh Hoot Attack (点数32、平均点30)
弱いホップのアロマ。背後に若干のモルト香。IPAを名乗るにはホップアロマが弱い。 金色で細かい泡。持ちも良し。 ホップフレーバーは強めで苦味もある。ドライだが少し渋味が残る。 ミデアムライトなボディ。 渋味が気になる。
Black Isle Session IPA (点数25、平均点25)
若干ホップよりな香り。かなり強くダイアセチルを感じる。 濃い金色のボディ。細かく持ちのよい泡。 飲むとダイアセチルフレーバーが支配的。 次にホッププレーバーが来るが渋味が強い。 ミデアムライト、中程度の炭酸。 オフフレーバーが強いためかホップのキャラクターが弱めに感じた。
Stone Go To IPA (点数35、平均点36)
グレープフルーツのような柑橘ホップのアロマ。背後にモルト香。 薄い金色で透明。細かく持ちのよい泡。 強力なホップフレーバー。モルト感は弱めでカラメル感はなし。 ドライなフィニッシュだが少し渋い。 炭酸は強めで、ミデアムライト程度のボディ。少しアルコール感を感じる。 セッションと言うよりはスタンダードなアメリカンIPAと言っても過言でないかも。
これまでに無いスタイルガイドラインの使い方だったので、ちょっと評価に手間取りました。 新しいBJCPスタイルガイドラインに早く慣れるよう、もう少し訓練が必要に思いました。
久々の典型的なダイアセチルは初期の地ビールブームを思い起こさせ、 少し懐かしい香りに感じました。 とは言うもののこれをパイントで飲むのはちょっときついですね。
左から Gilgamesh Hoot Attack、 Black Isle Session IPA、 Stone Go To IPA。 それぞれの産地は、オレゴン@アメリカ、スコットランド、カリフォルニア@アメリカでした。
さてこのスタイル Beer Judge Certification Program (BJCP) の2008年版スタイルガイドラインだと「スペシャルティ・ビア」として審査するしかなかったのですが、最近発表された2015年版では「スペシャルティIPA」というサブカテゴリが出来、審査カテゴリーも変更になりました。 しかし、ブラックIPAやベルジャンIPAと言った割りと古くからある特定の“IPA”に関しては説明があるものの、セッションIPAに関してはそれがありません。
エントリーする際の注意点として記載されている項目には、 すでに定義されている別のサブカテゴリーのアルコール強度が違うもの(例えば、セッション・アメリカンIPA)を使用しても可とされているので、今回はアメリカンIPAのアルコール度をセッション(ABV 3.5〜5.0%)に読み替えたものをスタイルガイドラインとして使用しました。
以下、テイスティングノート。 「点数」はFB担当が付けた点数、「平均点」は参加者(6人)の平均点です。 (どちらも50点満点)
Gilgamesh Hoot Attack (点数32、平均点30)
弱いホップのアロマ。背後に若干のモルト香。IPAを名乗るにはホップアロマが弱い。 金色で細かい泡。持ちも良し。 ホップフレーバーは強めで苦味もある。ドライだが少し渋味が残る。 ミデアムライトなボディ。 渋味が気になる。
Black Isle Session IPA (点数25、平均点25)
若干ホップよりな香り。かなり強くダイアセチルを感じる。 濃い金色のボディ。細かく持ちのよい泡。 飲むとダイアセチルフレーバーが支配的。 次にホッププレーバーが来るが渋味が強い。 ミデアムライト、中程度の炭酸。 オフフレーバーが強いためかホップのキャラクターが弱めに感じた。
Stone Go To IPA (点数35、平均点36)
グレープフルーツのような柑橘ホップのアロマ。背後にモルト香。 薄い金色で透明。細かく持ちのよい泡。 強力なホップフレーバー。モルト感は弱めでカラメル感はなし。 ドライなフィニッシュだが少し渋い。 炭酸は強めで、ミデアムライト程度のボディ。少しアルコール感を感じる。 セッションと言うよりはスタンダードなアメリカンIPAと言っても過言でないかも。
これまでに無いスタイルガイドラインの使い方だったので、ちょっと評価に手間取りました。 新しいBJCPスタイルガイドラインに早く慣れるよう、もう少し訓練が必要に思いました。
久々の典型的なダイアセチルは初期の地ビールブームを思い起こさせ、 少し懐かしい香りに感じました。 とは言うもののこれをパイントで飲むのはちょっときついですね。
2015年07月10日
2015年7月の勉強会
定例のテイスティング会。
今回のお題目は「セゾン」。
勉強会では以前にもセゾンをテイスティングしたことがあったのですが、記録を見直してみると2012年10月。
もう3年も前のことになります。
実はこのときに飲んだSaison D'Epeautreに感動して『こう言うセゾンを造りたいなあ〜』と思ったのが「ライ麦セゾン」が生まれるきっかけでした。 さらにこの直後、突然起こった人生初となる入院により「Farmhouse Ale」の本をじっくりと読む時間が取れ「ライ麦セゾン」が具体化して行きました。 (この辺の話はどこか別の場所でできればと思います)
3年前と違って今はセゾンがかなり造られるようになったようです。 目白田中屋さんに聞いたところ7月現在、「セゾン」と名のつくビールはなんと19種類(輸入ビールのみ)も店頭に並んでいるとのこと。 これだけあるとテイスティング用ビール選びにもかなり迷ったのですが、各地域を代表する製品と言うことで3種類購入しました。 良い機会なので手前どもの「ライ麦セゾン」も一緒にテイスティングしてもらうことにして、今回はいつもよりも多い4種類のテイスティングとなりました。
左から順にSaison de Seigle、Indian Summer Saison、Saison Dupont、Saison Dolores。 それぞれ参考出品、日本代表、ヨーロッパ代表、アメリカ代表と言った顔ぶれでした。
以下、テイスティングノート。 「点数」はFB担当が付けた点数、「平均点」は参加者(6人)の平均点です。 (どちらも50点満点)
Saison de Seigle (点数34、平均点36)
ベルジャン特有のイーストアロマ。ホップのキャラクターは感じられないくらい弱い。
若干濁りのあるクリアーな金色のボディ。細かく持ちの良い泡。
フルーツのアロマが支配的だがモルトの甘い風味もしっかりとある。 苦味はほとんどなし。 フィニッシュはドライだがわずかに甘さが残る。
ミデアムライト。高炭酸でアルコール感はほとんど感じられない。
甘さが残る点とホップが弱い点が改善されるとセゾンとしてはさらに良くなりそう。
Indian Summer Saison (点数30、平均点31)
夏みかんのような強い柑橘アロマ。背後にホップのアロマ。
金色で透明なボディだが、泡が少なく持ちも良くない。
フレーバーもかなりシトラス感がある。 フィニッシュは甘くドライさに欠ける。 ホップは中程度だが後に渋味が残る。
高炭酸。ミデアムボディで少し重めに感じる。
爽快感に欠け、スタイル的にはセゾンと言うよりはベルジャンIPAの方が適切に思う。
Saison Dupont (点数33、平均点32)
当初、麦汁のようなモルトの香りでフルーツやホップはほとんど感じられなかったが、泡が落ち着いてくるとホップアロマが感じられるようになってきた。
ボディは薄い金色で若干濁りのある透明。かなり大きく岩のような白いヘッド。
イースト由来と思われるフルーツ感、背後にホップの苦味、ドライなフィニッシュでバランスも良い感じであるが、自己融解していそうなイースト感をわずかに感じる。 若干のアセトアルデヒドがあり、温度が上がってくるとかなり強烈になる。
ミデアムライト。高炭酸。
オフフレーバーのせいか爽快感に欠ける。
Saison Dolores (点数32、平均点34)
レモンのような柑橘のアロマ。背後にホップ由来のスパイス的なアロマも感じる。 柑橘のアロマはオレンジゼストを使ったのではないかと思えるほど強烈。
薄い金色で若干濁りのある透明度のボディ。細かく持ちの良い泡。
柑橘のフレーバーが強烈。 中程度の苦味で、ドライなだけに後に残る渋味が強調される感じで残る。
ミデアムライト、高炭酸。少しアルコール感も感じる。
柑橘のフレーバーが強烈過ぎてイースト由来のフレーバーを凌駕してしまっているように感じる。
『出来レースなんじゃ?』と思えるような結果となりましたが、僅差ではありますがSaison de SeigleがBest of Showに輝きました! 念のため付け加えておくと、参加者6人中サービングのひとり以外はブラインドテイスティングで行った結果です。 今回は自社製品を客観的にテイスティング出来たこと、皆さんの屈託の無い意見を頂けたことが何よりも収穫でした。 来年は少しレシピをいじってみようかな?
実はこのときに飲んだSaison D'Epeautreに感動して『こう言うセゾンを造りたいなあ〜』と思ったのが「ライ麦セゾン」が生まれるきっかけでした。 さらにこの直後、突然起こった人生初となる入院により「Farmhouse Ale」の本をじっくりと読む時間が取れ「ライ麦セゾン」が具体化して行きました。 (この辺の話はどこか別の場所でできればと思います)
3年前と違って今はセゾンがかなり造られるようになったようです。 目白田中屋さんに聞いたところ7月現在、「セゾン」と名のつくビールはなんと19種類(輸入ビールのみ)も店頭に並んでいるとのこと。 これだけあるとテイスティング用ビール選びにもかなり迷ったのですが、各地域を代表する製品と言うことで3種類購入しました。 良い機会なので手前どもの「ライ麦セゾン」も一緒にテイスティングしてもらうことにして、今回はいつもよりも多い4種類のテイスティングとなりました。
左から順にSaison de Seigle、Indian Summer Saison、Saison Dupont、Saison Dolores。 それぞれ参考出品、日本代表、ヨーロッパ代表、アメリカ代表と言った顔ぶれでした。
以下、テイスティングノート。 「点数」はFB担当が付けた点数、「平均点」は参加者(6人)の平均点です。 (どちらも50点満点)
Saison de Seigle (点数34、平均点36)
ベルジャン特有のイーストアロマ。ホップのキャラクターは感じられないくらい弱い。
若干濁りのあるクリアーな金色のボディ。細かく持ちの良い泡。
フルーツのアロマが支配的だがモルトの甘い風味もしっかりとある。 苦味はほとんどなし。 フィニッシュはドライだがわずかに甘さが残る。
ミデアムライト。高炭酸でアルコール感はほとんど感じられない。
甘さが残る点とホップが弱い点が改善されるとセゾンとしてはさらに良くなりそう。
Indian Summer Saison (点数30、平均点31)
夏みかんのような強い柑橘アロマ。背後にホップのアロマ。
金色で透明なボディだが、泡が少なく持ちも良くない。
フレーバーもかなりシトラス感がある。 フィニッシュは甘くドライさに欠ける。 ホップは中程度だが後に渋味が残る。
高炭酸。ミデアムボディで少し重めに感じる。
爽快感に欠け、スタイル的にはセゾンと言うよりはベルジャンIPAの方が適切に思う。
Saison Dupont (点数33、平均点32)
当初、麦汁のようなモルトの香りでフルーツやホップはほとんど感じられなかったが、泡が落ち着いてくるとホップアロマが感じられるようになってきた。
ボディは薄い金色で若干濁りのある透明。かなり大きく岩のような白いヘッド。
イースト由来と思われるフルーツ感、背後にホップの苦味、ドライなフィニッシュでバランスも良い感じであるが、自己融解していそうなイースト感をわずかに感じる。 若干のアセトアルデヒドがあり、温度が上がってくるとかなり強烈になる。
ミデアムライト。高炭酸。
オフフレーバーのせいか爽快感に欠ける。
Saison Dolores (点数32、平均点34)
レモンのような柑橘のアロマ。背後にホップ由来のスパイス的なアロマも感じる。 柑橘のアロマはオレンジゼストを使ったのではないかと思えるほど強烈。
薄い金色で若干濁りのある透明度のボディ。細かく持ちの良い泡。
柑橘のフレーバーが強烈。 中程度の苦味で、ドライなだけに後に残る渋味が強調される感じで残る。
ミデアムライト、高炭酸。少しアルコール感も感じる。
柑橘のフレーバーが強烈過ぎてイースト由来のフレーバーを凌駕してしまっているように感じる。
『出来レースなんじゃ?』と思えるような結果となりましたが、僅差ではありますがSaison de SeigleがBest of Showに輝きました! 念のため付け加えておくと、参加者6人中サービングのひとり以外はブラインドテイスティングで行った結果です。 今回は自社製品を客観的にテイスティング出来たこと、皆さんの屈託の無い意見を頂けたことが何よりも収穫でした。 来年は少しレシピをいじってみようかな?
2015年06月12日
2015年6月の勉強会
毎月のテイスティング会。
今月のお題目は「ブラックIPA」。
今世紀になってポピュラーになった漆黒のアメリカンIPAです。
先日のけやき広場のビール祭りでもお披露目した「印旛」ことINdia Black Aleもこのスタイルに分類されます。
アメリカのクラフトビールもかなり沢山輸入されるようになっているので国内でも簡単に手に入るかなと思って買いに行ったのですが、これがなかなか売ってなく、なんとか3銘柄集めました。 (ひとつは比較のためにアメリカンスタウトにしました)
テイスティングしたビールは左から Revolution Rise American Stout、 Brussels Beer Project Dark Sister、 Baird Rainy Season Black Ale。 「ブラックIPA」と称して田中屋さんに並んでいたビールでアメリカ産のものはゼロとちょっと予想外でした。
以下、テイスティングノート。 「点数」はFB担当が付けた点数、「平均点」は参加者(5人)の平均点です。 (どちらも50点満点)
Revolution Rise American Stout(点数29、平均点28)
ホップの香りが強くローストの香りは弱い。 かなり濃い茶で不透明。茶色で持ちの良い泡。 飲むとモルトのキャラクターが突出しておりホップが弱い。 全体的に甘めでチョコレート様な感じ。 ドライさとホップキャラクターが足りず、スタイル的には真逆の方向を向いている。 クリーミーな口当たり。ミデアムフルのボディでアルコールも強く感じる。 モルト側にバランスしたスタウト的なスタイル。
Brussels Beer Project Dark Sister(点数32、平均点34)
ホップのアロマが強く背後にローストアロマ。少々イースト臭あり。 赤みがかった茶色で透明。タン色がかった泡で持ちは良い。 まずイースト臭。その後でホップフレーバー、フィニッシュにロースト感。 苦味はホップ由来がメインだがロースト麦芽由来の苦味も感じる。 少々渋味あり。 ミデアムボディでアルコールによる暖かみを感じる。少しザラザラ感も感じた。 イースト臭が非常に気になった上、バランス的にロースト感が少し強いように思う。
Baird Rainy Season Black Ale(点数33、平均点29)
全体的にアロマが弱いが、良く嗅ぐとホップのアロマと背後あるロースト香を感じた。温度が上がってくるとエステルが強く出てきた。 不透明で少し濁りあり。濃い茶色。持ちの良いタン色の泡。 ホップフレーバーが強くロースト感はサポート的だがかなりの渋味。 醗酵によるエステルの様なフレーバーもかなり感じた。 ミデアムボディ。 バランス的には良くできていると思うが、ホップのアロマがもっとあった方が良い思う。
ここのところイベントに追われてまたまた更新をサボっていましたが、ようやく一段落したのでボチボチと更新再開しようと思います。 よろしくお付き合い下さい。
アメリカのクラフトビールもかなり沢山輸入されるようになっているので国内でも簡単に手に入るかなと思って買いに行ったのですが、これがなかなか売ってなく、なんとか3銘柄集めました。 (ひとつは比較のためにアメリカンスタウトにしました)
テイスティングしたビールは左から Revolution Rise American Stout、 Brussels Beer Project Dark Sister、 Baird Rainy Season Black Ale。 「ブラックIPA」と称して田中屋さんに並んでいたビールでアメリカ産のものはゼロとちょっと予想外でした。
以下、テイスティングノート。 「点数」はFB担当が付けた点数、「平均点」は参加者(5人)の平均点です。 (どちらも50点満点)
Revolution Rise American Stout(点数29、平均点28)
ホップの香りが強くローストの香りは弱い。 かなり濃い茶で不透明。茶色で持ちの良い泡。 飲むとモルトのキャラクターが突出しておりホップが弱い。 全体的に甘めでチョコレート様な感じ。 ドライさとホップキャラクターが足りず、スタイル的には真逆の方向を向いている。 クリーミーな口当たり。ミデアムフルのボディでアルコールも強く感じる。 モルト側にバランスしたスタウト的なスタイル。
Brussels Beer Project Dark Sister(点数32、平均点34)
ホップのアロマが強く背後にローストアロマ。少々イースト臭あり。 赤みがかった茶色で透明。タン色がかった泡で持ちは良い。 まずイースト臭。その後でホップフレーバー、フィニッシュにロースト感。 苦味はホップ由来がメインだがロースト麦芽由来の苦味も感じる。 少々渋味あり。 ミデアムボディでアルコールによる暖かみを感じる。少しザラザラ感も感じた。 イースト臭が非常に気になった上、バランス的にロースト感が少し強いように思う。
Baird Rainy Season Black Ale(点数33、平均点29)
全体的にアロマが弱いが、良く嗅ぐとホップのアロマと背後あるロースト香を感じた。温度が上がってくるとエステルが強く出てきた。 不透明で少し濁りあり。濃い茶色。持ちの良いタン色の泡。 ホップフレーバーが強くロースト感はサポート的だがかなりの渋味。 醗酵によるエステルの様なフレーバーもかなり感じた。 ミデアムボディ。 バランス的には良くできていると思うが、ホップのアロマがもっとあった方が良い思う。
ここのところイベントに追われてまたまた更新をサボっていましたが、ようやく一段落したのでボチボチと更新再開しようと思います。 よろしくお付き合い下さい。
2015年04月17日
2015年4月の勉強会
今回で51回目を迎えた勉強会。
気がついたら4年も続いているんだなあと今さらながら驚きました。
題目は久しぶりに「ケルシュ」。 たしかずいぶん前に一度やったような記憶もありますが、もう忘れてしまいました。 せっかくなので当社フラッグシップ「香りの生」も一緒にテイスティングしてもらいました。
写真がテイスティング(もちろんブラインド!)したビールたち。 左から Carlton Lagered Ale、 Sakura Kaori-no-Nama、 American Blonde、 Easy Day Kolschの4種類。 ケルシュと言いながら本場ケルン産の製品はなかったので、ケルシュ・タイプとでも言うべきでしょうか。
以下、テイスティングノート。 「点数」はFB担当が付けた点数、「平均点」は参加者(8人)の平均点です。 (どちらも50点満点)
Carlton Lagered Ale (点数31、平均点29)
スカンキーな日光臭。若干酸化臭もあり。 クリアーで金色のボディ、細かい泡だが持ちはそれほど良くない。 モルティ。若干カラメル由来の甘味。その分ホップのキャラクターもちょっと強めだがバランスは良い。 フィニッシュはドライであるが、クリスプ感に欠ける。 ミディアムボディでアルコール感もある。 全体的に重くスタイルからは外れていると思う。 保存状態に難あり。
Sakura Kaori-no-Nama (点数38、平均点40)
エステルのフルーツアロマ。ホップアロマは無し。 クリアだが若干濃い金色。細かい泡で持ちはそこそこ。 モルティでソフトな飲み口。ドライでクリスプな後味。 苦味はほとんどないが若干ホップのキャラクターを感じる。 強めの炭酸でミデアムライトなボディ。 少しエステルが強い印象だが、どの要素も突出せず控えめにバランスしている。
American Blonde (点数26、平均点26)
フルーティアロマが強烈。その背後にモルティなアロマを少し感じる。若干硫化物。 持ちの良い細かく白い泡。金色のボディであるが、濁りあり。 ホップキャラクターが強くフィニッシュに柑橘系のホップフレーバーが残る。 ミデアムボディで後味に若干渋味。 ホップが強くスタイル的にはケルシュから外れると思う。
Easy Day Kolsch (点数35、平均点37)
ホップ由来と思われるスパイシーな香り。少々エステルアロマもある。 クリアで金色。細かい泡で持ちも良い。 ソフトな口当たり。 モルティでホップキャラクターもありバランスは良い。 白ワインのようなネルソンソービンを思わせるキャラクター。 ミデアムライトなボディ。炭酸も強めで爽快感あり。 バランスよくできたケルシュだと思うが、柑橘系のホップキャラクターはこのスタイルには不適切。
以上の結果からBest of ShowはSakura Kaori-no-Namaに決定しました。(パチパチパチ)
自社製品それもフラッグシップがBest of Showに選ばれたのは大変嬉しいことでしたが、劣化した製品を飲んで少し考えさせられたこともありました。 日光臭は光が原因ですから、この劣化は輸送又は販売時によるものだと推測され、同様な問題がいつ自社製品にも同じようなことが起こるかわかりません。 決して安くはない製品を購入して頂くお客さんのためにも、販売店さんと一層の信頼関係を築いて行く必要をあらためて考えさせられた勉強会でした。
題目は久しぶりに「ケルシュ」。 たしかずいぶん前に一度やったような記憶もありますが、もう忘れてしまいました。 せっかくなので当社フラッグシップ「香りの生」も一緒にテイスティングしてもらいました。
写真がテイスティング(もちろんブラインド!)したビールたち。 左から Carlton Lagered Ale、 Sakura Kaori-no-Nama、 American Blonde、 Easy Day Kolschの4種類。 ケルシュと言いながら本場ケルン産の製品はなかったので、ケルシュ・タイプとでも言うべきでしょうか。
以下、テイスティングノート。 「点数」はFB担当が付けた点数、「平均点」は参加者(8人)の平均点です。 (どちらも50点満点)
Carlton Lagered Ale (点数31、平均点29)
スカンキーな日光臭。若干酸化臭もあり。 クリアーで金色のボディ、細かい泡だが持ちはそれほど良くない。 モルティ。若干カラメル由来の甘味。その分ホップのキャラクターもちょっと強めだがバランスは良い。 フィニッシュはドライであるが、クリスプ感に欠ける。 ミディアムボディでアルコール感もある。 全体的に重くスタイルからは外れていると思う。 保存状態に難あり。
Sakura Kaori-no-Nama (点数38、平均点40)
エステルのフルーツアロマ。ホップアロマは無し。 クリアだが若干濃い金色。細かい泡で持ちはそこそこ。 モルティでソフトな飲み口。ドライでクリスプな後味。 苦味はほとんどないが若干ホップのキャラクターを感じる。 強めの炭酸でミデアムライトなボディ。 少しエステルが強い印象だが、どの要素も突出せず控えめにバランスしている。
American Blonde (点数26、平均点26)
フルーティアロマが強烈。その背後にモルティなアロマを少し感じる。若干硫化物。 持ちの良い細かく白い泡。金色のボディであるが、濁りあり。 ホップキャラクターが強くフィニッシュに柑橘系のホップフレーバーが残る。 ミデアムボディで後味に若干渋味。 ホップが強くスタイル的にはケルシュから外れると思う。
Easy Day Kolsch (点数35、平均点37)
ホップ由来と思われるスパイシーな香り。少々エステルアロマもある。 クリアで金色。細かい泡で持ちも良い。 ソフトな口当たり。 モルティでホップキャラクターもありバランスは良い。 白ワインのようなネルソンソービンを思わせるキャラクター。 ミデアムライトなボディ。炭酸も強めで爽快感あり。 バランスよくできたケルシュだと思うが、柑橘系のホップキャラクターはこのスタイルには不適切。
以上の結果からBest of ShowはSakura Kaori-no-Namaに決定しました。(パチパチパチ)
自社製品それもフラッグシップがBest of Showに選ばれたのは大変嬉しいことでしたが、劣化した製品を飲んで少し考えさせられたこともありました。 日光臭は光が原因ですから、この劣化は輸送又は販売時によるものだと推測され、同様な問題がいつ自社製品にも同じようなことが起こるかわかりません。 決して安くはない製品を購入して頂くお客さんのためにも、販売店さんと一層の信頼関係を築いて行く必要をあらためて考えさせられた勉強会でした。
2014年12月15日
2014年12月の勉強会
早いもので12月。
今年最後の勉強会になりました。
今回のお題目は「ベルジャン・デュベル」。 ベルジャンはなかなか奥が深いのですがちょっと取っつきにくいため、積極的にテイスティングをして行こうという話になり、今回はデュベルになりました。
写真がテイスティングしたビール。 左からPauel Kwak、 Westmalle Dubbel、 Chimay Rouge (Red) の三本。どれも750mLの大瓶で状態は良いものばかりでした。
以下、テイスティングノート。 「点数」はFB担当が付けた点数、「平均点」は参加者(5人)の平均点です。 (どちらも50点満点)
Pauel Kwak(点数32、平均点33)
チェリーのようなエステル香。 ホップの香りは殆どなし。 ボディは赤みがかかった茶色。泡は細かいが持ちは良くない。 モルト感は良く出ているが後味に甘味が残る。モルトの複雑さがなく単調。フィニッシュはキレイ。 ミディアムボディくらいではあるが甘さのため少し詰め目に感じる。炭酸は強く、アルコール感はあまり感じられない。
Westmalle Dubbel(点数37、平均点35)
モルティでチェリーのような香りが特徴。背後にメラノイジン的な香りも感じる。ホップ香はなし。 少し色が濃いが光にかざすと赤みがかった輝きがある。泡は細かく持ちも良い。 モルティなボディでフィニッシュもキレイ。 ホップの苦味が少しあるものの後に残らない。 若干複雑さにかける。 ミディアム・フルボディ。炭酸も強め。アルコール感はないが飲むと身体が温まる感じあり。 もう少し複雑さがあると素晴らしい。
Chimay Rouge (Red) (点数36、平均点35)
甘いモルトの香り。ダークフルーツのようなエステル。ホップ香はなし。 赤みがかった茶色。細かく固い泡。 モルティでチェリーを思わせるフレーバー。フィニッシュに渋味みたいなものが残る。 ミディアムより少し強めのボディ。強めの炭酸。スムーズで刺激的なアルコール感はなし。
平均点は同点だったのですが投票によりBest of ShowはChimay Rouge (Red) に決定。 個人的にはWestmalle Dubbelが良かったように思います。
ベルジャン・デュベルを真面目に飲んだのは初めてだったのですが、どれもチェリーのような香りがあってとても飲みやすいスタイルだと再認識しました。 これをベースにサワーエールにしても良さそうです。
それにしても750mL×3本は5人で飲んでもちょっと辛いものがありました。
今回のお題目は「ベルジャン・デュベル」。 ベルジャンはなかなか奥が深いのですがちょっと取っつきにくいため、積極的にテイスティングをして行こうという話になり、今回はデュベルになりました。
写真がテイスティングしたビール。 左からPauel Kwak、 Westmalle Dubbel、 Chimay Rouge (Red) の三本。どれも750mLの大瓶で状態は良いものばかりでした。
以下、テイスティングノート。 「点数」はFB担当が付けた点数、「平均点」は参加者(5人)の平均点です。 (どちらも50点満点)
Pauel Kwak(点数32、平均点33)
チェリーのようなエステル香。 ホップの香りは殆どなし。 ボディは赤みがかかった茶色。泡は細かいが持ちは良くない。 モルト感は良く出ているが後味に甘味が残る。モルトの複雑さがなく単調。フィニッシュはキレイ。 ミディアムボディくらいではあるが甘さのため少し詰め目に感じる。炭酸は強く、アルコール感はあまり感じられない。
Westmalle Dubbel(点数37、平均点35)
モルティでチェリーのような香りが特徴。背後にメラノイジン的な香りも感じる。ホップ香はなし。 少し色が濃いが光にかざすと赤みがかった輝きがある。泡は細かく持ちも良い。 モルティなボディでフィニッシュもキレイ。 ホップの苦味が少しあるものの後に残らない。 若干複雑さにかける。 ミディアム・フルボディ。炭酸も強め。アルコール感はないが飲むと身体が温まる感じあり。 もう少し複雑さがあると素晴らしい。
Chimay Rouge (Red) (点数36、平均点35)
甘いモルトの香り。ダークフルーツのようなエステル。ホップ香はなし。 赤みがかった茶色。細かく固い泡。 モルティでチェリーを思わせるフレーバー。フィニッシュに渋味みたいなものが残る。 ミディアムより少し強めのボディ。強めの炭酸。スムーズで刺激的なアルコール感はなし。
平均点は同点だったのですが投票によりBest of ShowはChimay Rouge (Red) に決定。 個人的にはWestmalle Dubbelが良かったように思います。
ベルジャン・デュベルを真面目に飲んだのは初めてだったのですが、どれもチェリーのような香りがあってとても飲みやすいスタイルだと再認識しました。 これをベースにサワーエールにしても良さそうです。
それにしても750mL×3本は5人で飲んでもちょっと辛いものがありました。
タグ:勉強会 ベルジャン・デュベル
2014年04月18日
2014年4月の勉強会
3月の題目は「アメリカン・ブラウン・エール」でした(がブログに上げるのをすっかり忘れていました)。
今月は諸事情により一週間遅れての開催となりました。そのためか参加者は少なめの4名。その分いつもよりも深くディスカッションが出来たような気がします。
今月の題目は「ドッペルボック」。 テイスティングしたビールは左から Paulaner Salvator、 Zillertal Gauder Steinbock、 Spaten Optimator の三種類でした。 今回で40回目なのに普段あまり飲むことの無いスタイルなので点数がかなりばらけてしまいました。 2月もラガーで難しかったのを思い出しました。 もっと普段から飲んで練習しないとダメだなと痛感しました。
以下、テイスティングノート。「点数」はFB担当が付けた点数、「平均点」は参加者(4人)の平均点です。(どちらも50点満点)
Paulaner Salvator (点数31、平均点32)
モルティなアロマとメラノイジン、ダークフルーツの香り。ホップの香りは感じられない。 少し赤みがかった濃い茶色で細かい泡。発砲しているのが見える。 濃色モルト由来の強いフレーバー。刺々しいアルコール感が強くスムースさに欠ける。 フルボディ、スタイルにしては強い炭酸。 もう少しクリーンな感じであるべき。
Zillertal Gauder Steinbock (点数30、平均点30)
モルティ、硫化物っぽいアロマが少々感じられる。メラノイジンおよびホップの感じはほとんど無し。 濃い金色で、シルキーな細かい泡。 飲んだ印象は「甘い」。未醗酵の糖が残っているような甘さ。 ミデアムフルのボディに少々強めの炭酸。 全体的にもう少し醗酵させてドライ感を出すべき。
Spaten Optimator (点数41、平均点39)
モルティ。濃色モルトが強く、ダークフルーツの様な香りもある。ホップの香りは感じられない。 赤みがかった濃い茶色。クリアー。細かく持ちの良い泡。 モルティなフレーバーでクリーンなフィニッシュ。 ホップの苦味も十分に感じられる。 甘めのテイストだが醗酵不足という感じではない。 ミデアムフルくらいのボディ、中程度の炭酸。 アルコールによる暖まり感もある。 スムースでクリーンな良くできたビールだと思う。
Best of Showは満場一致でSpaten Optimatorとなりました。 後で知ったのですがSPATENもInBevだったとは驚きです。
今月の題目は「ドッペルボック」。 テイスティングしたビールは左から Paulaner Salvator、 Zillertal Gauder Steinbock、 Spaten Optimator の三種類でした。 今回で40回目なのに普段あまり飲むことの無いスタイルなので点数がかなりばらけてしまいました。 2月もラガーで難しかったのを思い出しました。 もっと普段から飲んで練習しないとダメだなと痛感しました。
以下、テイスティングノート。「点数」はFB担当が付けた点数、「平均点」は参加者(4人)の平均点です。(どちらも50点満点)
Paulaner Salvator (点数31、平均点32)
モルティなアロマとメラノイジン、ダークフルーツの香り。ホップの香りは感じられない。 少し赤みがかった濃い茶色で細かい泡。発砲しているのが見える。 濃色モルト由来の強いフレーバー。刺々しいアルコール感が強くスムースさに欠ける。 フルボディ、スタイルにしては強い炭酸。 もう少しクリーンな感じであるべき。
Zillertal Gauder Steinbock (点数30、平均点30)
モルティ、硫化物っぽいアロマが少々感じられる。メラノイジンおよびホップの感じはほとんど無し。 濃い金色で、シルキーな細かい泡。 飲んだ印象は「甘い」。未醗酵の糖が残っているような甘さ。 ミデアムフルのボディに少々強めの炭酸。 全体的にもう少し醗酵させてドライ感を出すべき。
Spaten Optimator (点数41、平均点39)
モルティ。濃色モルトが強く、ダークフルーツの様な香りもある。ホップの香りは感じられない。 赤みがかった濃い茶色。クリアー。細かく持ちの良い泡。 モルティなフレーバーでクリーンなフィニッシュ。 ホップの苦味も十分に感じられる。 甘めのテイストだが醗酵不足という感じではない。 ミデアムフルくらいのボディ、中程度の炭酸。 アルコールによる暖まり感もある。 スムースでクリーンな良くできたビールだと思う。
Best of Showは満場一致でSpaten Optimatorとなりました。 後で知ったのですがSPATENもInBevだったとは驚きです。
2014年02月24日
2014年2月の勉強会
先月はウィスキーセミナーに振り替えたので二か月ぶりの勉強会。ブラインドでスコアシートを書くこの勉強会も今回で38回目となりました。
今回のお題は「オクトーバーフェスト/メルツェン」。左からBrew Dog Pilsen Lager、Karl Strauss Oktoberfest、Irlbacher Festbierの三種類。ラガーは普段あまり飲まないので、かなり難しいテイスティングとなりました。以下、テイスティングノート。「点数」はFB担当が付けた点数、「平均点」は参加者(5人)の平均点です。(どちらも50点満点)
Brew Dog Pilsen Lager
(点数27、平均点28)
ホップのアロマが支配的だが背後にモルトの甘い香りあり。
赤みがかった濃い金色。細かく固い泡。クリアー。
フレーバーもホップが支配的でフィニッシュまでずっとホップが残る。モルティ感もあるにはあるがホップにマスクされてしまいあまり感じない。
中程度の炭酸。ミディアムライトのボディ。
明らかにスタイル外れ。
Karl Strauss Oktoberfest
(点数38、平均点36)
甘いメラノイジン的なモルトのアロマ。ホップのアロマは無し。
クリアーなボディ。細かい泡だが少ない。濃い金色のボディ。
モルティな甘さだがフィニッシュはドライ。ホップの苦味は中程度だが少々渋い。
ミデアムライトボディ。
飲み飽きしないメルツェン。
Irlbacher Festbier
(点数32、平均点31)
モルティーで甘いアロマ。スパイシーなホップの香り。
薄い金色。細かい泡だが少ない。
モルティ、フィニッシュはドライだがホップの渋味が残る。
炭酸は強めに感じる。フーゼルアルコールの影響かボディはミデアムくらいに感じる。
少々ボディが強めで、色などはスタイルから外れている。
上記のように今回のBest Of ShowはKarl Strauss Oktoberfestとなりました。
今回のお題は「オクトーバーフェスト/メルツェン」。左からBrew Dog Pilsen Lager、Karl Strauss Oktoberfest、Irlbacher Festbierの三種類。ラガーは普段あまり飲まないので、かなり難しいテイスティングとなりました。以下、テイスティングノート。「点数」はFB担当が付けた点数、「平均点」は参加者(5人)の平均点です。(どちらも50点満点)
Brew Dog Pilsen Lager
(点数27、平均点28)
ホップのアロマが支配的だが背後にモルトの甘い香りあり。
赤みがかった濃い金色。細かく固い泡。クリアー。
フレーバーもホップが支配的でフィニッシュまでずっとホップが残る。モルティ感もあるにはあるがホップにマスクされてしまいあまり感じない。
中程度の炭酸。ミディアムライトのボディ。
明らかにスタイル外れ。
Karl Strauss Oktoberfest
(点数38、平均点36)
甘いメラノイジン的なモルトのアロマ。ホップのアロマは無し。
クリアーなボディ。細かい泡だが少ない。濃い金色のボディ。
モルティな甘さだがフィニッシュはドライ。ホップの苦味は中程度だが少々渋い。
ミデアムライトボディ。
飲み飽きしないメルツェン。
Irlbacher Festbier
(点数32、平均点31)
モルティーで甘いアロマ。スパイシーなホップの香り。
薄い金色。細かい泡だが少ない。
モルティ、フィニッシュはドライだがホップの渋味が残る。
炭酸は強めに感じる。フーゼルアルコールの影響かボディはミデアムくらいに感じる。
少々ボディが強めで、色などはスタイルから外れている。
上記のように今回のBest Of ShowはKarl Strauss Oktoberfestとなりました。
2013年12月20日
フランスのクリスマスエール
フランスで修業中の日本人ブルワーさんからお土産を頂きました。
La Grihète Cuvée Tradition Bière de Noëlという名前のビールでBière de Garde(ビエール・ド・ギャルド)という珍しいスタイル。フランス語の辞書をひも解くとgardeは「保存」を意味し(fruits de bonne gardeは「保存のきく果物」の意味だそう)、「保存する(した)ビール」の意味になる模様。この意味の通り、伝統的には地下室に保存していたビールを指すようです。
Noëlといかにもクリスマスを連想させるビールで、先日の勉強会でクリスマスエールを飲んだばかりだったので興味津々で早速飲んでみました。
非常にクリアーでアルコール感のある良くできたビールと言うのが第一印象。スタイルガイドラインにある「カビや地下室の香り」は特に感じられず、市販品と言うよりはホームブルー品に近い感じ。もう少し寝かせるとさらにスムーズになって良くなりそうだなと思って裏ラベルを見たところ賞味期限は2015年1月とのことでした。Bière de Noëlという名前からクリスマスごろに飲むビールなので飲み頃かと思ったのですが、きっとこれは来年のクリスマスまで取っておくビールみたいです。
なかなかエキゾチックなビールで世界にはいろいろなスタイルがあることを実感させられました。
La Grihète Cuvée Tradition Bière de Noëlという名前のビールでBière de Garde(ビエール・ド・ギャルド)という珍しいスタイル。フランス語の辞書をひも解くとgardeは「保存」を意味し(fruits de bonne gardeは「保存のきく果物」の意味だそう)、「保存する(した)ビール」の意味になる模様。この意味の通り、伝統的には地下室に保存していたビールを指すようです。
Noëlといかにもクリスマスを連想させるビールで、先日の勉強会でクリスマスエールを飲んだばかりだったので興味津々で早速飲んでみました。
非常にクリアーでアルコール感のある良くできたビールと言うのが第一印象。スタイルガイドラインにある「カビや地下室の香り」は特に感じられず、市販品と言うよりはホームブルー品に近い感じ。もう少し寝かせるとさらにスムーズになって良くなりそうだなと思って裏ラベルを見たところ賞味期限は2015年1月とのことでした。Bière de Noëlという名前からクリスマスごろに飲むビールなので飲み頃かと思ったのですが、きっとこれは来年のクリスマスまで取っておくビールみたいです。
なかなかエキゾチックなビールで世界にはいろいろなスタイルがあることを実感させられました。
2013年12月16日
2013年12月の勉強会
月イチで開催しているテイスティングの勉強会。今回のテーマは季節柄「クリスマスエール」。写真の四種類のビールをテイスティングしてスコアシートを書きました。
左からMikkeller X-mas Porter 2013 Via Til Fra (Via To From)、21st Amendment Fireside Chat、St Feuillien Cuvée de Noël、Locobeer Super Saison (Saison de Noël)。前者2本はBJCP21B.クリスマス/ウィンター・スペシャルティ・スパイス・ビア、後者2本はBJCP16E.ベルジャン・スペシャルティ・エールとしてスコアシートをつけました。「点数」はFB担当が付けた点数、「平均点」は参加者(5人)の平均点です。(どちらも50点満点)
Mikkeller X-mas Porter 2013 Via Til Fra (Via To From)
(点数30、平均点30)
ホップの香りが支配的で、背後にローストした麦芽。スパイス感はほぼ無し。
細かい泡。ビールの色は黒で向こうが見えないくらい。
ホップフレーバーが強烈で、後からロースト感がついてくる。ホップとロースト麦芽由来の苦味。少々ざらついた舌触りがある。
フルボディ。アルコール感は弱いが暖まる。
単なるブラックIPA。スパイスビールならもっとスパイスを利かせて、ベースを弱くすべき。
21st Amendment Fireside Chat
(点数37、平均点38)
スパイスの香りが支配的だが、強烈ではなく他の調和した穏やかな香り。甘い醤油のようなエイジング香あり。
濃い茶色のボディ。透明で泡は少なく持ちも悪い。
フレーバーもスパイスが支配的でこれがフィニッシュにまで残る。モルティ。暖まるとホップのキャラクターが強まる。
ミディアムフルボディ。炭酸は強めでアルコール感もある。
スパイシーなエール。バランス的にはホップをもう少し控えめにした方が良いかも。
St Feuillien Cuvée de Noël
(点数33、平均点32)
フェノール香が強い。スパイシー。
大きく固い泡。濃いアンバー色。
スパイスのフレーバーが良く出ている。最初から最後まで全体的に甘い。
ミデアムフルのボディ。マイルドなアルコール感だが若干刺激的なアルコールを感じる。
スパイスの入ったベルジャンだが、強烈すぎる甘味がバランスを壊している。
Locobeer Super Saison (Saison de Noël)
(点数35、平均点37)
フェノールの香りが第一だが強いわけではない。少々DMS的な香り。スパイス香は感じられない。
オレンジ色。若干濁りのある透明。泡はほとんど無し。
口当たりは甘いがフィニッシュはドライ。イースト由来のフェノールと濃厚なモルト感。ホップキャラクター無し。
中程度の炭酸で高アルコール由来かトロミがある。かなりウォーミーなアルコール感。
セゾンぽさが足りない。モルト感をもう少し弱めてドライにした方がセゾン的になりそう。
以上の結果から今回のBest of Show (BOS)は21st Amendment Fireside Chatになりました。Mikkeller X-mas Porter 2013 Via Til Fra (Via To From)はちょっと点数が低かったのですが、これは『スタイル外れ』だったため。Black IPAとかのカテゴリなら40点くらいは付いていたように思います。
意外だったのはLocobeer Super Saison (Saison de Noël)。FB担当の当初の評価とは裏腹に結構良い評価を頂きました。自社製品なだけに(良い方向にも悪い方向にも)知らず知らずのうちにバイアスがかかって評価しているようです。もっと客観的に評価をできるよう修業が必要だと思いました。
左からMikkeller X-mas Porter 2013 Via Til Fra (Via To From)、21st Amendment Fireside Chat、St Feuillien Cuvée de Noël、Locobeer Super Saison (Saison de Noël)。前者2本はBJCP21B.クリスマス/ウィンター・スペシャルティ・スパイス・ビア、後者2本はBJCP16E.ベルジャン・スペシャルティ・エールとしてスコアシートをつけました。「点数」はFB担当が付けた点数、「平均点」は参加者(5人)の平均点です。(どちらも50点満点)
Mikkeller X-mas Porter 2013 Via Til Fra (Via To From)
(点数30、平均点30)
ホップの香りが支配的で、背後にローストした麦芽。スパイス感はほぼ無し。
細かい泡。ビールの色は黒で向こうが見えないくらい。
ホップフレーバーが強烈で、後からロースト感がついてくる。ホップとロースト麦芽由来の苦味。少々ざらついた舌触りがある。
フルボディ。アルコール感は弱いが暖まる。
単なるブラックIPA。スパイスビールならもっとスパイスを利かせて、ベースを弱くすべき。
21st Amendment Fireside Chat
(点数37、平均点38)
スパイスの香りが支配的だが、強烈ではなく他の調和した穏やかな香り。甘い醤油のようなエイジング香あり。
濃い茶色のボディ。透明で泡は少なく持ちも悪い。
フレーバーもスパイスが支配的でこれがフィニッシュにまで残る。モルティ。暖まるとホップのキャラクターが強まる。
ミディアムフルボディ。炭酸は強めでアルコール感もある。
スパイシーなエール。バランス的にはホップをもう少し控えめにした方が良いかも。
St Feuillien Cuvée de Noël
(点数33、平均点32)
フェノール香が強い。スパイシー。
大きく固い泡。濃いアンバー色。
スパイスのフレーバーが良く出ている。最初から最後まで全体的に甘い。
ミデアムフルのボディ。マイルドなアルコール感だが若干刺激的なアルコールを感じる。
スパイスの入ったベルジャンだが、強烈すぎる甘味がバランスを壊している。
Locobeer Super Saison (Saison de Noël)
(点数35、平均点37)
フェノールの香りが第一だが強いわけではない。少々DMS的な香り。スパイス香は感じられない。
オレンジ色。若干濁りのある透明。泡はほとんど無し。
口当たりは甘いがフィニッシュはドライ。イースト由来のフェノールと濃厚なモルト感。ホップキャラクター無し。
中程度の炭酸で高アルコール由来かトロミがある。かなりウォーミーなアルコール感。
セゾンぽさが足りない。モルト感をもう少し弱めてドライにした方がセゾン的になりそう。
以上の結果から今回のBest of Show (BOS)は21st Amendment Fireside Chatになりました。Mikkeller X-mas Porter 2013 Via Til Fra (Via To From)はちょっと点数が低かったのですが、これは『スタイル外れ』だったため。Black IPAとかのカテゴリなら40点くらいは付いていたように思います。
意外だったのはLocobeer Super Saison (Saison de Noël)。FB担当の当初の評価とは裏腹に結構良い評価を頂きました。自社製品なだけに(良い方向にも悪い方向にも)知らず知らずのうちにバイアスがかかって評価しているようです。もっと客観的に評価をできるよう修業が必要だと思いました。
タグ:勉強会 Super Saison
2013年07月27日
トロピカルでみずみずしい香り?
コンビニで「常夏気分」という第三のビールを発見したので買ってみました。
正面のラベルには『2つのフレーバーホップが生んだトロピカルでみずみずしい香り』と書いてあり『Appollo Hop』と『Cascade Hop』の絵と文字がありちょっと面白そうです。
飲んでみたところ、期待したようなホップ感はありませんでしたが、他の第三のビールに比べると何となくホップが利いている様な気分にさせてくれました。ラベルの効果って意外と侮れませんね。
それにしても『トロピカルでみずみずしい香り』とはどんな香りなんだろう?
以下テイスティングノート。
ネルソンソービンの様なスパイシーなアロマ。背後に第三のビール特有のリキュールっぽい香り。ボディは軽い。ホップから由来なのか少々スパイシーなフレーバー。柑橘っぽい感じは全くなし。後味は特に雑味はなくすっきりとしているが、ライトラガーに比べるとモルトやグレインの味がほとんど無く物足りない。