マイクロブルワリー業界でイーストと言うと、以前はWyeastが強かったのですがここ数年は新興のWhite Labsが頑張っているようです。 数年前のCraft Brewers Conference(だったと思う)ではWorld Beer Cupで入賞しているビールの半分くらいがWhite Labsだったというデータをだしていました。 これが本当だとすれば、シェア的に半分くらいはWhite Labsが占めているという主張もあながち間違いではないと思います。
そんなWhite Labsのイーストをロコビアでも季節醸造に使っていたりするので、サンディエゴに行った際にはぜひ行きたいところのひとつで、実際にイーストを作っている現場を見てみたいと思っていました。
ホームページに書いてあったラボツアーの時刻17:00よりも少し前に到着して、ラボツアーをしたい旨を伝えたところ、人がいないので出来ないとのこと。 ウェブサイトに書いてあるから時間を合わせてきたのに……ショックでした。 メールでも良いので一応コンタクトをとっておくべきでした。 と言うことで結局テイスティングだけして帰るハメになりました。
ここのテイスティングルームは同じ麦汁を異なる複数のイーストで発酵させたビールを提供することでイーストの違いを比べられるようになっています。 イースト会社らしい面白い発想です。
今回あったのは「Wheat Ale」「Belgian Golden Strong」「Porter」「Maibock」「Saison」「IPA」の6種類。 どれも面白そうなのですが、このうち四つを比べてみました。 以下テイスティングノート。
・Belgian Golden Strong
WLP500… キャンディーのような香り。モルティですこし濁りあり。
WLP545… スパイシーな香り。 少々フェノールが強めに感じた。 クリアーで凝集性の高そうなイースト。
・Wheat Ale
WLP300… 麦汁とバナナの香り。香りから期待される様に甘さが残っていて,少々ベタつく。
WLP320… イースト香と少しDMSもかんじる。 バナナ香は弱い。 特異なフレーバーがありちょっと飲みにくく感じた。
WLP351… クリーンなバナナ香。 甘味が残り酒粕を思わせるフレーバー。
・Saison
WLP564… ひねたような特異なイースト香。 ドライ。 フレーバーにもひねたような感じがある。
WLP565… セゾン酵母の香りだがあまり心地よくない。 ドライで後味にブレタノマイセスの様なフレーバーが残る。
WLP590… タートなフルーツのような香り。 味もチェリーのようなフルーツを思わせる。 しかし後味にイースト感が残りキレイではない。
・Porter
WLP004… 濃色モルトの香り。 チョコレートモルトが支配的。 少々甘いが、比較的ドライなフィニッシュ。
WLP006… 濃色モルトの香りだが、チョコレートモルトのフレーバーは弱く甘味は強め。 ドライ感に少々欠ける。 イースト由来の独特な後味。
WLP095… 濃色モルトの香り。背後にイースト臭。ドライ。