定例のテイスティング会。
今回のお題目は「セゾン」。
勉強会では以前にもセゾンをテイスティングしたことがあったのですが、記録を見直してみると2012年10月。
もう3年も前のことになります。
実はこのときに飲んだ
Saison D'Epeautreに感動して『こう言うセゾンを造りたいなあ〜』と思ったのが「ライ麦セゾン」が生まれるきっかけでした。
さらにこの直後、突然起こった人生初となる入院により「Farmhouse Ale」の本をじっくりと読む時間が取れ「ライ麦セゾン」が具体化して行きました。
(この辺の話はどこか別の場所でできればと思います)
3年前と違って今はセゾンがかなり造られるようになったようです。
目白田中屋さんに聞いたところ7月現在、「セゾン」と名のつくビールはなんと19種類(輸入ビールのみ)も店頭に並んでいるとのこと。
これだけあるとテイスティング用ビール選びにもかなり迷ったのですが、各地域を代表する製品と言うことで3種類購入しました。
良い機会なので手前どもの「ライ麦セゾン」も一緒にテイスティングしてもらうことにして、今回はいつもよりも多い4種類のテイスティングとなりました。
左から順にSaison de Seigle、Indian Summer Saison、Saison Dupont、Saison Dolores。
それぞれ参考出品、日本代表、ヨーロッパ代表、アメリカ代表と言った顔ぶれでした。
以下、テイスティングノート。
「点数」はFB担当が付けた点数、「平均点」は参加者(6人)の平均点です。
(どちらも50点満点)
Saison de Seigle
(点数34、平均点36)
ベルジャン特有のイーストアロマ。ホップのキャラクターは感じられないくらい弱い。
若干濁りのあるクリアーな金色のボディ。細かく持ちの良い泡。
フルーツのアロマが支配的だがモルトの甘い風味もしっかりとある。
苦味はほとんどなし。
フィニッシュはドライだがわずかに甘さが残る。
ミデアムライト。高炭酸でアルコール感はほとんど感じられない。
甘さが残る点とホップが弱い点が改善されるとセゾンとしてはさらに良くなりそう。
Indian Summer Saison
(点数30、平均点31)
夏みかんのような強い柑橘アロマ。背後にホップのアロマ。
金色で透明なボディだが、泡が少なく持ちも良くない。
フレーバーもかなりシトラス感がある。
フィニッシュは甘くドライさに欠ける。
ホップは中程度だが後に渋味が残る。
高炭酸。ミデアムボディで少し重めに感じる。
爽快感に欠け、スタイル的にはセゾンと言うよりはベルジャンIPAの方が適切に思う。
Saison Dupont
(点数33、平均点32)
当初、麦汁のようなモルトの香りでフルーツやホップはほとんど感じられなかったが、泡が落ち着いてくるとホップアロマが感じられるようになってきた。
ボディは薄い金色で若干濁りのある透明。かなり大きく岩のような白いヘッド。
イースト由来と思われるフルーツ感、背後にホップの苦味、ドライなフィニッシュでバランスも良い感じであるが、自己融解していそうなイースト感をわずかに感じる。
若干のアセトアルデヒドがあり、温度が上がってくるとかなり強烈になる。
ミデアムライト。高炭酸。
オフフレーバーのせいか爽快感に欠ける。
Saison Dolores
(点数32、平均点34)
レモンのような柑橘のアロマ。背後にホップ由来のスパイス的なアロマも感じる。
柑橘のアロマはオレンジゼストを使ったのではないかと思えるほど強烈。
薄い金色で若干濁りのある透明度のボディ。細かく持ちの良い泡。
柑橘のフレーバーが強烈。
中程度の苦味で、ドライなだけに後に残る渋味が強調される感じで残る。
ミデアムライト、高炭酸。少しアルコール感も感じる。
柑橘のフレーバーが強烈過ぎてイースト由来のフレーバーを凌駕してしまっているように感じる。
『出来レースなんじゃ?』と思えるような結果となりましたが、僅差ではありますが
Saison de SeigleがBest of Showに輝きました!
念のため付け加えておくと、参加者6人中サービングのひとり以外はブラインドテイスティングで行った結果です。
今回は自社製品を客観的にテイスティング出来たこと、皆さんの屈託の無い意見を頂けたことが何よりも収穫でした。
来年は少しレシピをいじってみようかな?